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「羊をめぐる冒険」の翻訳(40)

「羊をめぐる冒険」の翻訳(40)

5 車とその運転手(1)



迎えの車は予告どおり四時にやってきた。鳩時計みたいに正確だった。女の子が僕を深い眠りの穴からひきずり出してくれた。僕は洗面所でざっと顔を洗ったが、眠気はいっこうに去らなかった。エレベーターに乗って下に着くまでに三回あくびをした。誰かに何かを訴えているようなあくびだったが、訴えているのも訴えられているのも僕だった。

その巨大な車はビルの玄関前の路上に潜水艦みたいに浮かんでいた。つつましい一家ならボンネットの中で暮らせそうなくらい巨大な車だった。窓ガラスはくすんだブルーで、外から中がのぞき込めないようになっていた。車体は実に見事な黒塗りで、バンパーからホイール?キャップに至るまでしみひとつない。

車のわきには清潔な白いシャツにオレンジ色のネクタイしめた中年の運転手がしゃんとした姿勢で立っていた。本物の運転手だった。彼は僕が近づくと何も言わずにドアを開け、僕がきちんと座席につくのを見届けてからドアを閉めた。そして自分も運転席に乗り込んでドアを閉めた。何から何まで新しいトランプのカードを一枚ずつめくる程度の音しかなかった。友人から払い下げてもらった僕の十五年もののフォルクスワーゲン?ビートルに比べれば、耳栓をつけて湖の底に座っているような静かさだった。

車の内装もたいしたものだった。おおかたの車に関するアクセサリーがそうであるように決して趣味が良いとは言えなかったが、それでも足したものであることに違いはなかった。広々した後部座席のまんなかにはシックなデザインのプッシュホンが埋め込まれて、その隣りには銀製のライターと灰皿とシガレット?ケースが揃いで並んでいた。運転席の背中には折りたたみ式のデスクと小さなキャビネットが取れ付けられて、書きものをしたり簡単な食事をしたりできるようになっていた。エアコンの風は静かで自然だったし、床に敷きつめられたカーペットは柔かかった。

気がついた時、車は既に働いていた。まるで金だらいに乗って水銀の湖面を滑っているような気がした。僕はこの車にいったいどれだけの金が使われたのか考えてみたが、考えただけ無駄だった。全ては僕の想像力の範囲を越えていた。

「何か音楽でもおかけしましょうか?」と運転手が言った。

「なるべく眠そうなのがいいな」と僕は言った。

「かしこまりました」

運転手は座席の下から手さぐりでカセット?テープを選び出し、ダッシュボードのスイッチを押した。どこかに巧妙に隠されたピーカーから無伴奏チェロ?ソナタが静かに流れ出した。申しぶんのない曲で、申しぶんのない音だった。

「いつもこの車で客の送り迎えをしているんですか」と僕は質問してみた。

「そうです」と運転手は注意深く答えた。

「最近はずっとそうです」

「へえ」と僕は言った。

「これはもともとは先生専用の車だったんです」としばらくあとで運転手は言った。運転手は見かけよりはずっと人なつっこそうだった。「でも今年の春に具合が悪くなられてからはもう外におでかけになりませんし、かといって車を遊ばせておくのも無駄なもんですから。それに御存知かとも思いますが、車というのは定期的に働かしておかないと性能が低下するんです」

「なるほど」と僕は言った。とすると先生の具合が悪いのは機密事項というわけでもないのだ。僕はシガレット?ケースの煙草を一本手に取って眺めてみた。ブランド名のないオリジナルの両切りで、鼻には近づけてみるとロシア煙草に近い匂いがした。僕は吸おうかポケットにとっておこうかしばらく迷ってから思いなおしてももとに戻した。ライターとシガレット?ケースには中央にこった図柄の紋章が刻み込まれていた。羊の紋章だった。

羊?

何を考えても無駄であるような気がしたので、僕は頭を振って目を閉じた。あの耳の写真をはじめて目にした午後以来、いろんなことが僕の手に負(お)えなくなりはじめているようだった。

「目的地までどれくらいかかるのかな?」と僕は訊ねてみた。

「三十分から四十分、まあ道路の混み方にもよりますが」

「じゃあ少し冷房をゆるめてもらえないかな。昼寝のつづきをしたもので」

「承知しました」

運転手はエアコンを調節してからダッシュボードのスイッチのどれかを押した。ぶ厚いガラスがするするとせりあがってきて、運転手と座席のあいだを遮断した。座席はバッハの音楽をのぞけばほぼ完全といっていいくらいの沈黙に包まれた。しかし僕はそのごろにはもう大抵のことには驚かなくなっていた。僕はバックシートに頬を埋めて眠っていた。

夢の中には乳牛(にゅうぎゅう)が出てきた。わりにこざっぱりとしているが、それなりに苦労もしてきたといったタイプの乳牛である。我々は広い橋の上ですれちがった。気持ちの良い春の昼さがりだった。乳牛は片手に古い扇風機をさげていて、僕にそれを安く買い取ってくれませんかと言った。金はないと僕は言った。本当になかったのだ。

それじゃやっとことと交換でもいいですが、と乳牛は言った。悪くない話だった。僕は乳牛と一緒に家に帰り一所懸命やっとこを探した。しかしやっとこはみつからなかった。

「おかしいなあ」と僕は言った。「本当に昨日まではあったんだよ」

僕が上の戸棚を捜すために椅子を持ち出したところで、運転手は僕の肩を叩いて起こした。

「着きました」と運転手は簡潔に言った。

ドアが開けて、夕方に近い夏の太陽が僕の顔を照らしていた。何千匹もの蝉(せみ)が時計のねじを巻くみたいに鳴いていた。土の匂いがした。

僕は車を降り、背中をのばして深呼吸をした。そして象徴的な種類のものでないことを折った。





  来接我的车按予定四点准时到达。看了看报时钟还是相当准确的。在深度睡眠中的我被女孩叫了起来。在洗手间我粗略地洗了一把脸,但睡意还没有全部散去。从乘电梯到到达楼下时间里打了三回哈欠。这像是在向谁述说什么的哈欠呢?诉说和被诉说的都是我。
  那辆巨大的车停靠在大楼门前的路上,就像潜艇漂浮在那里。一般的家庭就足可以生活在那辆巨大的车中。为了不引人注目,把玻璃窗制作成蓝色,从车外透过玻璃向里面看几乎是不可能的。车体实际上被塗成了美丽的黑色,从前保険杠到车轮冒,没有一点污点。
  中年驾驶员身穿白色衬衣还系有橙色领带,很规矩地站在车的旁边。看来是个很正规的专业驾驶员。当我走近的时候什么也不说就把车门打开,看到我坐稳后才关上门。然后他自己坐到驾驶员座位关上门。从头到尾做完这些事就像翻一张张新朴克牌那样一点声音也没有。和从朋友恩慧给的我的15年龄的小车相比,就像戴上耳塞坐在湖底那样安静。
  车内的装饰也非常高贵。对这辆豪华车那些有关的配件,虽不能说多么感兴趣,但那是绝对是值得赞叹欣赏的。在宽尚的后座中央装有设计精美的电话机,在其旁边还装有银制的打火机、烟灰缸和烟盒架。在司机的背后安装有有折叠式的小桌和小柜,可以在那里写东西还可以简单地吃饭。空调风很安静很自然,在地板上铺的地毯很柔软。
  注意到的时候,车已轻快地开动起来。让人感觉到就像坐在金盆里面在水银湖面上滑行那样平稳。我在想着这个车要花多少钱?但是想了也没有用。这肯定超过了我的想像力的范围。
  “你想听什么样的音乐吗?”司机说。
  “最好是催眠的曲子。”我说。
  “好的,我知道了。”
  司机从席下面按扶手拿出了盒式磁带,还按动了控制板的开关。在什么地方巧妙隐藏的喇叭流淌出奏鸣曲,那磁带是没有污痕的曲子,是没有污痕的音响。
  “你经常用这辆车迎送客人吗?”我问他。
  “是的。”司机很认真地回答。
  “最近一直是这样。”
  “哎,明白了。”我说。
  “这辆车原来是先生的专用车。”过了一会儿司机又说了起来。和司机外表相比,更是一位较随和的人。“可是在今年的春天,先生的身体况不好了,就不能外出。也不能让车闲着不用。你也知道的,车辆如果不定期的运行,其性能就会变差。”
  “是这样的。”我说。这样看来先生的身体情况也并不是保密的。我从香烟盒里抽出一根香烟拿在手里看着。是没有商标名称的特殊定制无过滤嘴香烟,靠近鼻子闻一闻,其味靠近苏联香烟的味道。我是吸烟呢还是放进盒子里去呢?重新考虑之后又放回原处。在打火机和烟盒的中央刻有一个精致的图案。是羊图案的章。
  羊?
  无论想什么都是无用的,我摇摇头闭上了眼睛。从看到那张耳朵照片的那个下午之后,开始接连不断地带来辣手的问题。
  “到目的地需要多长时间?”我问他。
  “大约三十到四十分钟吧,要根据道路的拥堵情况。”
  “那么请把空调温度调高一点。我想接着睡一下。”
  “好的。我知道了。”
  司机调整了空调,按了一下控制盘内的一个开关。一个厚厚的玻璃吱吱地响着挤着升了上来,把司机和客座之间隔开了。除去巴赫的音乐客座完全被沉默包围了。但是在那个时候我已经没什么大惊小怪了。我脸靠在座背上沉入到座席上睡觉了。
  梦中出现了奶牛。真是出乎意料的干净。这当然是很勤劳类型的奶牛。我们在宽阔的桥上交错而过。是在精神凉爽的春天的午后。奶牛一手中拎着古旧的风扇,问我是否便宜地买它。我说没有钱,真的没有钱。
  那么用钳子交换怎么样?奶牛说。这话还真不错。我和奶牛一起回家拼命地找钳子。但是还是没有找到。
  “真奇怪呀。”我说。“到昨天的确还有的。”
  我正要搬出椅子要到上面的橱柜去找的时候,司机敲着我的肩膀,我醒了。
  “我们到了。”司机很简洁地说。
  打开门,接近夕阳的夏天的太阳照着我的脸。几千只的蝉就像给钟表拧上铉似的鸣叫着。这里还有土的芳香。
  我下了车,伸伸腰深呼吸一次。而且在祈祷不要出现梦中的那些东西。



几天没有来这里,今天发表的多了一些。

来接主人公的司机是一个什么样的司机呢?有什么技能?有什么修养?
「羊をめぐる冒険」の翻訳(40)